ビタミンの会社がなぜ?技術力ではなくコミュ力。理研の『わかめスープ』開発秘話

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あなたは、理研のわかめスープをご存知でしょうか。スーパーに行けば必ず目にするほどの定番商品ですが、そんなわかめスープには意外な開発秘話がありました。今回は、メルマガ『見ル野栄司のシブすぎ技術秘話』の著者で元エンジニア漫画家の見ル野栄司さんが理研ビタミンへの取材に赴き、その秘話を紹介しています。

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ものづくり秘話 理研のわかめスープ

理研のわかめスープの会社に行ってきました。理研はご存じのとおり、理化学研究所から派生した会社です。とにかく化学が強い。

派生した時は、ビタミンAの抽出に成功してそれをビジネスにしようということだったそうなのですが、それからラーメンの出汁やヘルスケアや、ドレッシングにいたるまでに多角化していったわけです。

ビタミンAの抽出だけの技術から食品にかかせないものを作る企業になったいい成功例ですね。

そんな理研ビタミンさんですが、ちょっとかわったラインの商品があるのです。それが「ふえるわかめちゃん ®」です。®を付けるのがめんどい。

それで、このわかめちゃんが生まれたのは、ビタミンとかぜんぜん関係ないのです。

ビタミンの抽出って、魚の肝油からなのですが、それもあって全国の港と仲良しだったそうなんです。

そこで聞いた話で、「わかめの養殖やってみたら?どこもやってないし」と言われたとのこと。

実は世界的にもわかめって日本しか食べられていなかったのです。中国はこんぶ。それも高級食材として扱われていた。とのこと。

そこで理研ビタミンさんはチャンス!ということでわかめの養殖をはじめて量産し、食品展開することになったのです。実際に養殖は港などの業者がやっているそうですが。

獲れたわかめを乾燥させてそれを包装する。これを湯戻しすると膨らんで沢山になるわけです。

そしてこれが大ヒット。

実は理研ビタミンさんの事業の8割がBtoBなんです。レストラン、コンビニ、チェーン店、給食などなど。それでわかめちゃんは大活躍したわけです。

このへんが、ビタミンと関係ないといいことで会社的には特殊となるのですがここからが頭がいい!

ビタミン抽出の技術は他の部署で、北海道産ホタテのエキス抽出にも役立っていたんです。

それが旨味ミネラルを含むもの。なんとこれとわかめちゃんと合わせたものが「わかめスープ」となり空前の大ヒットとなりました。凄いですねー!

ここで言いたいのが、「漁港の人たちと仲良くしていた!」というところ。これが発端となったわけです。コミュ力ですね。

なにもかも技術が全てではなく、こういったものとのハイブリッドこそが永く続く企業には必要なのかもしれません。

次回は、そんな理研ビタミンさんのわかめちゃん誕生秘話をひとつ…。

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image by: Shutterstock.com

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漫画家 半導体製造装置やアミューズメントゲーム機などの会社で、設計・開発に10年携わりその後漫画家としてデビュー。ものづくりエンジニアの取材漫画「シブすぎ技術に男泣き!」がベストセラーに。現在でもフライス旋盤、3Dプリンター、マイコンボードを使いものづくりをして漫画にしている。週刊プレイボーイ(集英社)、インターフェース(CQ出版)などで連載中。代表作に「シブすぎ技術シリーズ」「ロッカク」(KADOKAWA)「東京フローチャート」「ヤバすぎ技術にむせび泣き!」(小学館)「スナック鳥男」(コアマガジン)他多数。

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【著者】 見ル野栄司 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 火曜日(祝祭日を除く)

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