世界的エンジニアがNFTを投資の対象として考える「決め手」は何か?

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デジタルアート作品が高額で取引されるなど話題の「NFT」(非代替性トークン)について、折に触れ懸念点を伝えているエンジニアの中島聡さんですが、将来的な可能性を否定しているわけではありません。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、MAG2NEWSに掲載された自身のインタビュー「こんなNFTなら私は投資する」世界的エンジニアが語った仮想通貨とNFTへの懸念と将来性を補足。1口オーナーとしての所有権をNFTで販売する不動産ファンドを例に、リアルなビジネスと結びつけることができれば、投資対象になりうると伝えています。

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「こんなNFTなら私は投資する」世界的エンジニアが語った仮想通貨とNFTへの懸念と将来性

私自身のインタビュー記事をここで紹介するのは初めてかも知れませんが、少し言い足りないことがあったので、ここで補足します。

最近のNFTだと、遊んで稼ぐっていう“Play to Earn”なんかも話題ですが、あれの一番の問題はみんなが儲けようとしてること、儲けようとするお金しか入ってこないところなんです。でも、こういうので出ていくお金っていうのは、入ってくるお金より絶対に少ないわけで、だからゼロサムどころかマイナスサムにしかならない。

そういうNFTじゃなくて、例えばみんなでそのNFTを買うと、そのお金を利用して何らかのビジネスが作られ、それがお金を稼ぎ始めると。……要はお金が集まるんだから、投資と同じじゃないですか。そういったものができれば、それはいい投資になるんじゃないかと。

例えば、森ビルあたりがNFTを発行して、お金を集めてビルを買います。そこをオフィスとして貸して、その収入がNFTを持っている人に分けられるんだったら、そこにはリアルなビジネスがあるじゃないですか、“不動産を貸す”っていう。そういうNFTには投資する価値があるかと。

不動産投資に関しては、REITと呼ばれる仕組みが株式にはあって、これを使って不動産業の人たちは資金を集めて不動産を入手し、家賃収入を配当として渡すということをしています。森ビルがやっているような大規模なプロジェクトには向いていますが、逆に「マンション1戸」などの単位では手間がかかりすぎるためにREITは使えません。

NFTを使えば、販売コスト、配当の送付コスト、転売コストを極端に下げられるので、マンション1戸単位の不動産ファンドを簡単に組むことが出来ます。例えば、1億円の物件をNFT100個に分割して一つ100万円で売却し、運営側は家賃収入の1~2割を手数料としてもらった上で、不動産税や管理費を除いた利益をNFTを所有しているウォレットに自動的に振り込むだけで良いのです。NFTを購入する人は、購入前にマンションの内見をすることも出来、自分がオーナーだという実感を得ることが出来ます。

NFTなので転売も容易で、買う人も過去の配当実績などに簡単にアクセス出来るようになっていれば、「これなら利回り4%は期待出来る」などの判断が、パソコンから出来ます。

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