尹錫悦大統領就任後、初の首脳会談で二国間での対北朝鮮圧迫や抑止力について強調していたアメリカと韓国。しかし、その二国は同時にコロナ感染が発表された北朝鮮に対して支援も行いました。それに対する北の返事は─。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、韓米首脳会談から見た北朝鮮への姿勢について詳しく語っています。
韓米のコロナ支援に対し弾道ミサイル3発で答えた北
北朝鮮が25日午前、東海上にミサイルを発射した。
韓米首脳会談で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とバイデン大統領は強力な対北朝鮮圧迫と抑止力を強調する一方、COVID-19支援など人道的支援の手も同時に差し出したが、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長はミサイルで返事を返してきた。
合同参謀本部によると、軍は25日午前6時、6時37分、6時42分ごろ、北朝鮮の順安(スンアン)一帯から東海(日本海)上に弾道ミサイルがそれぞれ1発ずつ発射された事実をつかんだ。
合同参謀本部は「現在、韓国軍は監視と警戒を強化し、韓米間の緊密な協力を図り、万全の態勢を維持している」と明らかにした。
バイデン大統領は韓日歴訪を終え、前日24日の午後6時ごろ、日本の横田空軍基地から出国した。
バイデン大統領が乗ったエアフォースワン飛行機がまだアンドリュース基地に最終到着する前にミサイル挑発が行われたわけだ。
尹大統領は尹政府発足以来2度目、韓米首脳会談の4日後に行われた北朝鮮の挑発に対し直接国家安保会議(NSC)を招集した。
龍山(ヨンサン)大統領室庁舎に25日午前7時10分ごろ出勤し、7時30分ごろから会議を主宰した。それだけ状況を厳重に認識しているという意味だ。
北朝鮮の挑発はすでに予想された手順だった。
韓米当局は情報資産で探知した内容という事実まで異例的に公開し、バイデン大統領のアジア訪問に際して北朝鮮が挑発を敢行すると数回言及していた。
核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射準備がすでに終わっており、北朝鮮の決心次第だという状況だった。
ミサイル発射は韓米が予想した通り、北朝鮮が本来の彼らのスケジュールによって核・ミサイル武力を強化する過程とも見られるが、韓米および日米首脳会談とクアッド(QUAD、米国・日本・オーストラリア・インド間安保協議体)首脳会議など首脳級ビッグイベントで欠かさず北朝鮮核を糾弾するなど、原則的な対応が強調されたことに対する反発の性格も強い。