お金のプロが警告。保険や投資の「無料相談」を信用してはいけない訳

2022.05.27
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昨今テレビCMや街角でもよく見かけるようになった、保険の無料相談。しかしよくよく考えてみると、すべてが無料であるならば商売としては成り立つはずもありません。そこにはどのようなカラクリがあるのでしょうか。今回そんな疑問に答えてくださるのは、ファイナンシャルプランナーで『老後資金は貯めるな!』などの著書でも知られ、NEO企画代表として数々のベストセラーを手掛ける長尾義弘さん。長尾さんは記事中で無料相談ビジネスの「真実」を暴露するとともに、安心して相談できる、信頼に足る窓口を紹介しています。

プロフィール:長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『定年の教科書』(河出書房新社)、『60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

金融商品の販売の「利益相反」と「情報の非対称性」。公平中立なアドバイスはどこへ消えたのか!?

生命保険の無料相談や、金融機関からの投資アドバイスというのは、公平中立なアドバイスなのか?ということを考えてみたことはありますか?

じつは、無料で相談できるって、「そもそも信用しない方がいい」という話をしたいと思います。

また、こんな話を書くと、さまざまな方面からお叱り、批判が出そうなのですが……。

そもそも、無料で相談ができるなんて不思議だと思いませんか?その人はボランティア活動をしているのでしょうか?

もし、ビジネス(仕事)で行っているのでしたら、誰からお金を得るのでしょうか?

相談者は、お金を支払っていないのでクライアントにはならないですよね??

そんな話をしてみましょう。

「利益相反」で相談者が損をする

保険の無料相談というのは、とても便利な駅前にあったり、ショッピングセンターの中にあったり、とても立地のいい場所にショップを構えていますね。ネットでも保険の無料相談というのは当たり前で、なんと相談を申し込むだけで、高級和牛やお米のプレゼントがあるってビックリです。

それに保険の相談は、とても親身に聞いてくれて、時間をかけて説明をしてくれます。なんて親切なのでしょうか?

でも、本当にそうなのでしょうか?

そうです。保険の無料相談というのは、ボランティアではありません。

保険を販売して、その手数料が自分の給与に反映されるのです。ということは、保険会社からお金を得るわけです。ですから、「相談員」と言うよりも保険の「販売員」といった方がいいのでは?と思ってしまいますね。

相談者は、自分にあう保険をできだけ安く入りたいと思います。代理店側(販売側)は、契約金額が大きく、手数料の多い(利幅が大きい)保険を売りたいです。

これは一方の利益になりますが、もう一方は不利益になります。つまり「利益相反」ということです。

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