五輪組織委元理事を強制捜査 AOKIから4500万円―自宅捜索、汚職に発展か・東京地検

2022.07.26
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by 時事通信


東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事=2020年3月、東京都内(AFP時事)

東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事=2020年3月、東京都内(AFP時事)

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事(78)側が、大会スポンサーの紳士服大手AOKIホールディングス(横浜市)から多額の資金提供を受けた疑惑で、東京地検特捜部は26日、東京都世田谷区の高橋元理事宅などを家宅捜索し、強制捜査に乗り出した。
 東京五輪・パラ大会を舞台にした疑惑が、汚職事件に発展する可能性が出てきた。特捜部は、高橋元理事が五輪で便宜を図るなどした見返りに、コンサルタント契約名目で自身の会社を通じて計約4500万円を受領したとして、収賄容疑などでの立件を視野に入れ全容解明を進めるもようだ。
 関係者によると、高橋元理事は、組織委とAOKIが2018年10月に締結した「オフィシャルサポーター」契約をめぐり、便宜を図った謝礼で17年秋から大会閉幕の21年秋までの約4年間に、自身が会長を務めるコンサル会社「コモンズ」名義の口座を通じて計約4500万円を受領した疑いがある。
 組織委の役職員は特別措置法で「みなし公務員」と定められ、職務に関する金品の受領が禁じられている。
 スポンサーは大手広告代理店の電通が募り、組織委マーケティング局が契約実務を担当していた。この契約で、AOKIは審判・技術役員用のユニホーム作製や公式ライセンス商品の販売権を獲得しており、高橋元理事はAOKIの青木拡憲前会長(83)から契約に関する依頼を受けた可能性があるとみられている。
 高橋元理事は電通でスポーツビジネスに携わり専務などを歴任。退職後の14年に理事に就任した。取材に対し、「五輪に関して青木さんから頼まれたことも、便宜を図ったこともない」と主張。スポンサー契約やライセンス商品の審査などでの働き掛けについても全面的に否定している。
 青木氏は「組織の若返り」などを理由に6月29日付で会長を退任した。
 ◇捜査に全面協力=AOKI
 AOKIホールディングスIR室の話 現在捜査中のため回答を控える。今後も捜査に全面的に協力する。(2022/07/26-12:38)

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