寺田・秋葉氏、次の標的に 山際氏辞任で野党攻勢

2022.10.27
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by 時事通信


衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で答弁する寺田稔総務相=26日、国会内

衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で答弁する寺田稔総務相=26日、国会内

 前経済再生担当相の辞任に勢いづく野党が、「政治とカネ」の疑惑が取り沙汰される総務相と復興相を「次の標的」と見定め、国会で追及を強め始めた。政府・与党は「辞任ドミノ」に発展すれば岸田政権が揺らぎかねないとみて危機感を募らせている。
 「そんな無責任でいいのか。これ以上、総務相の職にあるべきではない」。立憲民主党の氏は26日の衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で、文春オンラインが報じた新たな疑惑を取り上げ、寺田氏に辞任を迫った。
 寺田氏はこれまで妻が代表を務める政治団体の人件費を巡る脱税疑惑を追及されてきた。さらに文春オンラインは25日、寺田氏の後援会が故人を会計責任者に政治資金の収支報告を行っていたと報じ、有印私文書偽造の疑いがあると指摘した。
 26日の委員会で事実関係をただされた寺田氏は、故人が会計責任者になっていた点は認め、「ミスはおわびする」と陳謝。しかし、「私を代表とする政治団体ではないので、事務処理の詳細は承知していない」と詳しい説明は避けた。後藤氏は27日以降も徹底追及すると宣言した。
 秋葉氏も、妻や母親に家賃を支払う形で政治資金を還流させたとの疑惑などが報じられた。野党から連日、追及を受けている。
 立民の代表は26日のインタビューで「説明責任を果たせないなら、首相の決断が求められる」と2閣僚の更迭を要求。共産党の国対委員長は記者会見で、寺田氏について「不適格だ」と断じた。
 醜聞追及から距離を置く日本維新の会の代表も党役員会で寺田氏の疑惑に触れ、「きちんと説明責任を果たしてもらう」と述べた。
 公明党の政調会長は26日の会見で「(寺田氏は)政治資金の担当。さらに丁寧に説明を尽くしてもらいたい」と語った。官房長官は会見で「政治家として適切に説明することが重要だ」と繰り返したが、自民党内では「2人目辞任はまずい」(関係者)と焦りが強まっている。(2022/10/27-07:05)

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