逮捕の男、事件前に車で下見か 不適切取引指摘の男性任意聴取―餃子の王将事件・京都府警など

2022.10.31
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by 時事通信

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん=当時(72)=が2013年に射殺された事件で、殺人容疑などで逮捕された特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の田中幸雄容疑者(56)が事件の約2カ月前、軽乗用車で福岡から京都に移動していた疑いがあることが30日、捜査関係者への取材で分かった。
 また、王将フードサービスの第三者委員会から同社との不適切な取引を指摘された企業グループの当時の経営者の男性が、容疑者の逮捕後、京都府警から任意で事情聴取を受け、関係先を家宅捜索されたことも判明した。
 軽乗用車は、事件に使われたとみられるバイクの盗難現場付近でも確認されていた。バイクの物色や現場の下見が目的だったとみられ、京都、福岡両府県警合同捜査本部は、同容疑者が入念に準備をしたとみて調べている。
 田中容疑者は13年12月19日早朝、京都市山科区の本社前にいた大東さんの腹などを拳銃で数発撃ち、失血死させた疑いが持たれている。
 捜査関係者によると、同年10月、九州ナンバーの軽乗用車が同市伏見区の飲食店駐車場を走行するのが防犯カメラの映像で確認された。車は田中容疑者が知人から借り、福岡方面から京都に来て、京都府内のバイクの盗難現場近くも走行し、高速道路で福岡の空港周辺に戻ったという。
 また、飲食店駐車場の防犯カメラ映像には、車から降りた男が止めてあったバイクにまたがり、車と並走する形で走り去っていたことも記録されていた。捜査本部は、事件に複数の人物が関わった疑いがあるとみて調べを進めている。(2022/10/31-07:14)

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