「ヒトラーの予言」が現実に。21世紀に同環境に置かれた日本とドイツ

Kyiv,,Ukraine,,May,11,,2022:,After,Bombing.,War,In,Ukraine.
 

4月24日で開戦から14ヶ月となるも、未だ停戦の糸口すら見いだせないウクライナ戦争。春にもあり得るとされたウクライナ軍の大規模反転攻勢は現在のところ見られず、東部地域での激戦が続いているのが現状です。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、この戦争の最新の戦況を解説するとともに、各国の動きを思惑を分析。その上で、今後の国際社会の行く末を考察しています。

米英特殊部隊が徹底支援。ウクライナ軍、夏に本格的な大攻勢開始か?

ロ軍は、バフムトとアウディーイウカ、マリンカの3拠点の攻撃に絞り、ザポリージャ州は防御の方向になっている。

バフムト方面

ウ軍はバフムト市から撤退しながら、ワグナー軍とロ軍空挺部隊の損耗が多くすることに価値を見出している。ワグナー軍は攻撃を市内とクロモベに絞り、市内中心部を確保しバフムト駅を占領して、駅西側に前進している。

郊外ではワグナー軍とロ軍空挺部隊が、クロモベ方向だけに攻撃して、O0506地方道を遮断して、バフムト市内への補給ができなくなることを狙っている。しかし、ウ軍は、無数の広範な塹壕陣地により、ここを固く守っている。O0506地方道に近づいたロ軍を戦車と戦闘装甲車で撃破している。

郊外では、ウ軍がクリシウカの運河近くのロ軍陣地を攻撃して、奪還している。ウ軍はここを越えて、バフムト包囲作戦をしているロ軍背後に前進して、逆包囲する可能性もある。

しかし、ウ軍はバフムト市内を保持しているが、ロシアブロガーは、ワグナー軍がほとんどの市内を抑えたという。

しかし、ウクライナのマリャル国防次官は、バフムトについて「状況は緊迫しているが、制御下にある」とウ軍が保持して、ロ軍は「著しい損失に苦しんでいる」とした。事実、駅周辺でワグナー軍中隊が榴弾砲の砲撃で全滅している。市内ワグナー軍の戦闘力が、弱まっているようだ。このため、市内へのロ軍、ワグナー軍の前進がほとんどなくなってきている。

その他方面

リシチャンスク方面でロ軍はリマンペルシーを占領して、シンキフカを攻撃しているが、ここはウ軍が撃退したが、その後はロ軍の攻撃がなくなった。

クレミンナ方面では、クズミネとディプロバにロ軍は攻撃したが、撃退されている。

アウディーイウカ方面では、北ではステポボとベルチャにロ軍が攻撃したが、ウ軍が撃退している。要塞にも攻撃しているが、失敗している。セベルネ、プレヴォマイシケにもロ軍は攻撃しているが、ウ軍に撃退されている。ここのロ軍の攻勢も弱まっている。

マリンカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は撃退している。この地点は、数か月攻撃をしているが、ロ軍は前進できないでいる。

ロ軍は、25日ぶりで4月19~21日夜間に、キーウ、オデーサ、ポルタヴァ、ヴィニツィア、ドニプロペトロウシク、ザポリージャ、ハルキウ、チェルニーヒウ各州をドローン47機で攻撃し、ウ軍はドローン29機撃墜と発表した。

逆に、ウ軍は、頻繁にロシア領ブリャンスク州やベルゴロド州などに無人機で攻撃してるが、ウクライナ国境からモスクワ寄りのクールスク州にも22日に無人機で攻撃して、変電所などが被災した。この攻撃では、20機以上の無人機を使用したようである。ロシア領内の防空能力は重要地点しかないことが分かる。

ロ軍が無人機で攻撃すると、ウ軍も攻撃する感じになってきたようだ。自爆無人機を大量に供給できるようになってきたことがわかる。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 「ヒトラーの予言」が現実に。21世紀に同環境に置かれた日本とドイツ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け