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パンに“カビ発生”のベースフード社、個別対応から一転して自主回収へ。製造不良は今回が初めてではない？好調だった株価も下落の憂き目に

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一部商品にカビが発生していたことが、SNS上で拡散していた「BASE BREAD」。販売元のベースフード株式会社は製造不良が確認されたとして、商品の自主回収を行うと24日に発表した。

同社のリリースによれば、対象となる商品は特定製造工場（リョーユーパン唐津工場）で製造された「BASE BREAD シナモン」「BASE BREAD カレー」「BASE BREAD リッチ」の各商品。あわせて、当製造所での製造中止・出荷停止を行うという。ちなみに、現時点では健康被害は確認されていないとのこと。

「BASE BREAD」を巡っては、先週20日にある利用者が「消費期限内のにカビてた」との投稿をSNS上で行ったところ、それが大拡散することに。

それを受けてベースフード社は週明け23日にお詫びのリリースを公開。商品にカビを確認した利用者に対し、賞味期限内であっても決して食べないよう呼び掛けるとともに、該当ロットをECにて購入した利用者には個別に連絡するとの対応を、一時はアナウンスしていた。

過去にも多く取沙汰されていた製造不良

1食分で1日に必要な栄養素の多くが摂れる“完全栄養食”と銘打った食品を数多く開発・販売しているベースフード。なかでも「BASE BREAD」はその主力といった存在で、同社のECサイトを見たところ、現在食事パンが4種、菓子パンが4種と数多く展開している。

「BASE BREAD」に関しては、その栄養素の豊富さはもちろんのこと、それが調理の手間なく手軽に食べられるといった点、さらには市販されている一般的なパンと比べて、常温でも賞味期限は注文日から約1か月前後持つという、保存のラクさもウケているようで、いわゆるサブスクのコースに加入し、継続的に商品を購入していたファンも多くいたようだ。

いっぽうで、ベースフード自体は2016年4月の設立と、かなり新しい会社。事業内容は完全栄養食の開発・販売ということで、製造のほうはというと自前では工場を持たず、パンはすべてOEM（委託製造）だということ。今回はそのうちの佐賀県唐津市にある委託先工場で、なんらかの製造不良が起こったということのようだ。

ただ、SNS上の以前の投稿を見てみると、どうやら「BASE BREAD」のカビ発生は今回が初めてのことではなく、むしろ過去に幾度も同じような事案は起こっていた模様。

投稿の内容を見てみると、別のパンの切れ端が混入していたため袋の圧着が完全ではなかったといったケース、また品質保持のための脱酸素剤が入っていなかったという声も。さらにはカビの発生だけではなく、ホコリや繊維の混入なども報告されているなど、その製造不良ぶりは多岐に渡るようだ。

株価は一時ストップ安水準の下落に

ただ、ベースフード側もそういった声を無視、あるいは隠蔽していたというわけではなく、SNS上のそういった声を逐一フォローし、代替商品を送付するなどの対応を行っていた模様。

ようするにこれまでは、あくまで個別での対応で済ませていたということで、今回も同様に事を進める気だったようだったベースフード。しかし如何せん、今回のSNS上にあがった投稿に関しては、24日夕方時点で900万件に迫る表示がなされるといった、かなりの大拡散となったことで、その対応にも注目が大いに集まることに。

なかには「なぜ自主回収を行わないのか」といった論調も見られたこともあり、23日の個別対応をアナウンスするリリースから一転、その翌日に自主回収の発表に至ったようだ。

ベースフードといえば、今月13日に発表した決算で、累計売上高が前年同期比で約8割増の81億1,000万円、営業損益は1億2,600万円の赤字と赤字額を縮小する見通しとなるなど、その業績の好調ぶりが伝えられ、それにより株価も上昇に転じることに。

ところが今回の件に関しては、カビ発生という事実はもとより、その対応の後手後手ぶりも悪印象となったのか、週明け23日の株価はストップ安の水準となる前営業日比100円安の491円。翌24日も終値は461円と、下落が続く展開になっているようだ。

ベースフードとしては、今後の誠意ある対応で挽回していきたいところだが、いっぽうで今回のカビ発生の関しては、委託先が生産した商品のクオリティに大きな問題が発生するという、同社成長の要因のひとつであるOEM導入のデメリット面が出てしまう格好に。その点における対応策の提示も、今後の信頼回復には欠かせないといったところのようだ。

Next: 「賞味期限も長めで買ったこともあったけれど…」

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