バイクのヘルメットを製造するSHOEI<7839>は、知る人ぞ知る優良企業です。自己資本比率が75%を超えながら、ROEは脅威の約30%。経産省の報告書(伊藤レポート)の中では「約8%を目指すように」と言われていることから、その目標を大きく上回っています。今回は、なぜSHOEIはすごい企業と言えるのか?なぜ世界シェア60%という数字を獲得できたのか?今から投資して良いのかを考えていきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)
プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。
売上成長よりも利益成長速度が速い
SHOEIはバイクのプレミアムヘルメットを主たる製品としています。移動手段としてバイクに乗るよりも、ツーリングをする方やプロのレーサーなどハイエンドの顧客をターゲットとしています。その他にも白バイ用などの官需向けヘルメットも手がけています。
出典:SHOEI 製品情報
SHOEIはこのプレミアムヘルメット市場で世界シェア60%を誇ります。ちなみに2位はAraiという国内メーカーであり、同社がシェア30%ですから、国内メーカーが世界シェア約90%を占める寡占的な市場と言えるでしょう。
世界シェアが高いことから、SHOEIの海外売上比率は80%です。立派なグローバル企業です。
出典:有価証券報告書より作成
そして、業績は綺麗な右肩上がりです。さらに売上が拡大している中で、営業利益率が改善されていることが分かります。売上よりも利益の成長度合いが高い、理想的な業績推移と言えます。
出典:有価証券報告書より作成
なぜ利益率が改善しているのでしょうか?
もう少し細かく見ると、原材料高の昨今、原価率・販管費率が低下しています。このような会社は非常に珍しいものです。
出典:有価証券報告書より作成
では、なぜコストを抑えながら売上が拡大しているのでしょうか?