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初心者殺しの半導体銘柄…どう買えば失敗しない?リスクを抑えてデキる長期投資家になる方法=栫井駿介

半導体の動向が注目されています。日本企業全体が成長するためには、半導体関連の存在は欠かせないと思います。半導体はこれまでも話題にされてきましたが、これからは日本の産業をけん引する存在になるでしょう。ただし、株式投資においては半導体への投資は難しく、皆さんも手痛い経験をしているかもしれません。今日はなぜ半導体が日本において重要なのか、半導体株の難しさ、そして半導体を長期投資として取り組む際のアプローチについてお話ししたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

日本の半導体が強いワケ

まず、半導体市場が非常に好調で、東京エレクトロン、信越化学、ディスコは上場来高値となっていて、レーザーテックもそれに近い状態となっています。

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出典:Google

長期的に見て大きく上昇しているという状況です。

なぜ半導体がこれほど上昇しているのか、その理由の1つは海外からの注目が高まっているからだと考えられます。

ウォーレン・バフェットが日本株に投資したことで日本株に注目が集まりました。
彼は商社株に投資したので、どちらかというと割安株の観点で日本株を選んだのだと思われますが、成長株の観点で日本株を見た時に外せないのは半導体です。
実際、日経平均株価の構成銘柄を見ると、半導体銘柄の割合が大きくなっていて、海外から見ても日本=半導体というイメージが強まっています。

外国人投資家が日本株を見る時にはやはり日経平均株価を見ることになり、日経平均はほぼ単純株価平均なので、1株あたり株価の大きい値嵩株の変動によって大きく左右されることが多いです。
よって、上記の半導体銘柄の変動によって日経平均株価は大きく動くことになります。

このような状況下で、日経平均が上昇しているのにポートフォリオが上がっていないと感じる方もいるかもしれません。
日経平均には半導体銘柄が大きく影響を与えているため、半導体株を保有していないと市場全体の上昇と同じようにはいかないのです。

なぜ日本の半導体銘柄が強いのでしょうか。

まず、長期的な潮流に乗っていることが大きな要因です。

IT機器がますます普及する中で、半導体は電子機器に必要不可欠であり、進化もしています。
特にここ10年〜15年では、スマートフォンの普及やクラウドの発展により半導体の需要や重要性が増してきています。
これからは自動車やIoTなど、さまざまな分野で半導体の需要増と高度化が見込まれます。

半導体の重要性が高まるなかで、信越化学やレーザーテック、ディスコなどの日本企業は、半導体製造において不可欠な最先端技術を持っていて、そのことが高い付加価値となっています。

半導体において日本企業が技術的にリードしている背景には、最終製品としての半導体生産からは離れ、製造装置や材料の提供に注力したことがあります。
アメリカとの半導体闘争においては最終製品の分野で勝つことは難しくなりましたが、製造装置や材料の分野では日本企業はクライアントの高い要求に応える姿勢が強く、それが今日の付加価値の源泉となっています。

また、日本人の研究精神や細かい作業においての高い技術力も相まって、半導体関連企業が世界でトップランナーとして存在しています。

半導体を作るためには日本の企業が不可欠であり、その結果高い価格でも売れるということになります。

長期潮流に乗っていて高い付加価値を持ち、高い利益率で販売できることから、日本の半導体銘柄に株価はここまで上がっています。

生成AIによる需要が伸びており、特に最先端の半導体が必要とされています。
例えば、チャットGPTなどの生成AIは大量の処理を行っており、そのためにGPU(画像処理半導体)が重要な役割を果たしています。
GPUは同時に大量の情報を処理するもので、このために半導体がますます必要となります。

今後2~3年ではGPUが不足する状況が予想され、この分野が日本において最も注目される成長産業であることは間違いないです。

Next: 短期投資としては難易度が高い…どう買えば失敗しないのか?

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