なぜ、宮崎駿は「湯婆婆」のセリフを話す子どもを見て“危機感”を抱いたのか?

Tokyo,/,Japan,-,November,2,2016:,The,Signage,Outside
 

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。このニュースは多くの日本人を沸かせました。そこで、今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、2001年に宮崎駿さんが養老孟司さんと語ったインタビューの一部を掲載しています。

祝・アカデミー賞。宮崎駿さんが養老孟司さんと語ったこと

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞しました!

偉業達成を祝し、2001年に『致知』にご登場していただいた記事の一部を特別配信いたします。対談のお相手は、古くからの宮崎アニメファンである養老孟司さんです。

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〈宮崎〉
(平成13年)10月1日に「三鷹の森ジブリ美術館」がオープンしました。そこにアニメーションの絵を展示しているんですが、その前で突然映画のセリフを言いだす子がいるんですよ。

〈養老〉
どんな絵が貼ってあるのですか。

〈宮崎〉
湯婆婆(ゆばーば)のでかい顔が壁にどんと貼ってあるんだけど、その湯婆婆のセリフをしゃべりだすんです。

その子どもが何回観に行ったかはわかりませんが、まだビデオ化はしていませんから、1回か2回のうちに覚えているんですね。それを見て、自分たちの映画はすごかったと思っているスタッフがときどきいますが、それはとんでもない錯覚なんですよ。

本来子どもというのは、年長者の言っていることを意味もわからずまねしたりして言葉を覚えていったはずなんです。その機会が減っているから、代わりにアニメーションでやっているだけなんです。

あの映画には力があるからじゃないんです。ぼくらの社会がますますやばくなっていると証明しているだけなんです。ぼくの作品をビデオで60回も観たという子どもがいましたが、そういうのを聞くと、いまの子どもたちはかわいそうだなと思うんです。

〈養老〉
そういえば、そうですね。

〈宮崎〉
子どもが、元気になる世の中なんていうと、ものすごく誤解を招くんですが、なんとかしないと、この国の子どもたちはこれからの時代に世界で一番対応できない無力な大人になっていくしかないんでしょうね。

〈養老〉
リアリズムという言葉は……

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