なぜイギリスはあらゆる国からの亡命希望者をルワンダに送るのか。日本人が知らな過ぎる不法移民・難民問題

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アメリカや欧州で大問題となって久しい不法移民や難民を巡るトラブル。しかしこれらの実情が日本で報じられることは稀で、よって国民はこの問題に極めて「鈍感」であることも事実です。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、国民に事実を伝えない国内メディアを問題視。そのバランス感覚を欠いた報道姿勢を強く批判しています。

世界政治を動かす不法移民・難民問題

世界政治を動かす大きな要因として不法移民・難民問題があります。

この問題を取り上げる日本のメディアは少ないです。

極東の島国なので経験、実感がないといえます。

しかし、トランプ元大統領の人気、EUにおける極右政党の台頭など、不法移民・難民問題が分からずに世界の政治状況は理解できません。

それぐらい政治の大きな原動力となるのです。

今日、ご紹介するのはNYタイムズの4月22日に掲載された記事です。

英国、亡命希望者をルワンダに送る法案を承認

 

英国議会は亡命希望者の送還を可能にするルワンダ強制送還法案を制定した。

 

この法案は、政府が一部の亡命希望者をルワンダへ片道航空券で乗せ、中央アフリカのルワンダ当局が難民申請を処理することを可能にするものである。

 

その後、難民として認められた場合、彼らはイギリスではなくルワンダに再定住することになる。

 

現首相のリシ・スナック氏は、毎月複数のチャーター便を運航すると主張した。

 

最終投票の数時間前、スナック首相は「何があろうとも、これらのフライトは運航する」と述べた。

解説

イギリスへの難民申請者ら(出身国は問わない)をルワンダに移送するのです。

ルワンダはイギリスから約6,500キロ離れたアフリカの国です。

現在は権威主義を強める指導者ポール・カガメによって統治されています。ポール・カガメに公然と異議を唱える者は、逮捕、拷問、死の危険にさらされます。

イギリス政府は「ルワンダは安全な国であり難民申請者の安全を保障する」としています。

しかし反対する専門家たちは、国内法および国際法におけるイギリスの人権義務に違反すると指摘しています。

どこからみても強引なイギリスの政策です。

それぐらい、イギリス人の不法移民・難民に対する反感、危機感が強いのです。

そもそもイギリスのEUからの離脱もそれが大きな原因でした。

日本のマスコミが時々言う「EUで極右政党が躍進している」というのも同じです。

そしてトランプが今でも人気がある理由も同じです。

なぜ、日本でこういった問題をしっかりと報道しないのか不思議です。

実際に同じような大規模な不法移民・難民問題が日本に起こったら、日本人は絶対にトランプやEU極右政党の政策を支持します。

PS

上記はトランプや極右政党の支持ではありません。彼らを支持する意見もバランスよく報道しろという事なのです。変なレッテルをはらずに!

【関連】不適切にもほどがある。アメリカ大統領選挙の報道で“意図的”に曲げられていること

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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